今から思うと芸能生活10周年を迎えた1973年から1975年頃までの間が「歌手・いしだあゆみ」としては最も円熟期だったのではないか、と言う気がします。
“流行歌手”としてのあゆみさんは1978年の“大阪の女”あたりまでだと個人的には感じてますが、積極的な歌手活動と言うことで言うとやっぱり昭和50年あたりまでかなと。
その後は皆さんもご存知のように女優としての仕事の割合が増えていきますからね。
で、そんな時期のライブアルバムと言うことと、大きな冠が付いていない比較的リラックスした“いしだあゆみ・ショー”的雰囲気の漂うこのライブアルバムは、この時期のあゆみさんの好きな歌やレパートリーが聴けて、とても有意義なアルバムだと思います。
あゆみさんって、歌手としてヒット曲も人気もあった割りにスタジオ録音の極端に少ない歌手だったんですよね。
比較して申し訳ないけど同時期の小川知子さんなんて11枚か12枚くらいのオリジナルアルバムだしてるんですよ、たしか。
オリジナルアルバムと言うことに限定すればあゆみさんはたった6枚しか出てません。
その分ライブレコードが3種類ありますけどね。
もっともっとスタジオ録音のレコード出して欲しかったけど、いつもニューアルバムのレコーディング時期になると病気してたから“ベスト・アルバム”でお茶を濁してたんで・・・。
この1974年のライブアルバムで歌っているような他の人の曲をテレビなんかでは時々歌ってくれていたし、そういうのをまとめてLPにしてくれていたらなあと、ずっと思ってました。
ライブと言うことではあるけれど、今回30年ぶりに新しいアルバムを聴くことができ、あゆみさんならではの程よく力が抜けた雰囲気で、あらためて“歌手・いしだあゆみ”の力を感じてます。
今、こういう雰囲気の歌手いないもの。
伊東ゆかりさんや、奥村チヨさん、梓みちよさんとも違う、素晴らしい個性だと思いますよ。
是非ともまた歌って欲しいなあ。 |
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